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日立、不正コピーをけん制する動画電子透かし技術を開発

2011年10月20日 11時10分

不正コピーをけん制する動画電子透かし技術を開発
特定の画像処理を行うと浮かび上がる「潜像」を動画に埋め込み


 株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)は、このたび、動画に対し、サイズ(画格)の縮小などの不正コピーを行うと、その再生時に、事前に埋め込んでおいた画像(潜像)が画面上に浮かび上がり、不正コピーをけん制する動画電子透かし技術を開発しました。本技術は、医療、建築、公共機関などの動画の機密性や真正性が求められる分野や、著作権保護や不正行為けん制、真正証明などのコンテンツのセキュリティ管理など多様な用途へ活用されることが期待されます。

 日立ではこれまで、著作権情報などを高速で埋め込むことができる電子透かし技術を開発し、著作権保護や情報漏えい対策の分野で活用してきました。しかし、従来の電子透かし技術では、再生時に電子透かしが画面上に現れず、直接けん制することができませんでした。一方、警告文やロゴなどを動画に埋め込むと、再生時の画像を妨げるおそれがありました。
 そこで日立は、通常の再生時には目立ちにくく、不正コピー後に再生すると浮かび上がる潜像を動画に埋め込むことで、動画の不正コピーをけん制する動画電子透かし技術を開発しました。今回開発した技術の特徴は以下の通りです。

(1)エイリアシング効果を利用した潜像パターン
 日立は、動画のコピーで画質劣化を生じるエイリアシング効果*を利用して、特定のサイズの縮小比率に反応して大きく画質劣化する潜像パターンを設計しました。本潜像パターンを文字の形でメッセージとして事前に動画に埋め込みます。この動画を、想定した縮小比率で不正コピーすると、潜像パターンが画質劣化し、画面上に文字として浮かび上がることで、不正行為をけん制します。また、想定した縮小比率と異なる場合でも、エイリアシング効果によって、通常より画質の劣化が大きくなるため、不正利用をけん制することが可能です。例えば、動画コピー作成ソフトで使われているサムネイル画像の縮小比率を設定するなど、実際に生じうる不正行為を想定して潜像を埋め込むことができます。さらに、さまざまな不正コピーに反応するように、複数の特性を持った潜像を混在させることで、効果的にメッセージを表出させることも可能です。

(2)潜像の強度設定
 潜像パターンは、通常の再生時には見えにくい弱い信号である一方、不正コピー後の動画の再生時には、埋め込んだメッセージを読み取れるだけの強い信号でなければならいという、相反する要件が求められます。そのため、対象とする動画コンテンツの絵柄に応じ、潜像の強度を柔軟に設定できるようにしました。
 今後、クラウドコンピューティングが普及し、大量のデータが蓄積されていくと、流通する動画コンテンツのセキュリティはますます重要になります。日立は、本技術を活用して、著作権保護や不正行為けん制、真正証明など、多様な用途への適用を提案するとともに、コンテンツのセキュリティ管理に貢献する技術開発を進めていきます。

 本技術は、10月23日から26日まで、米国で開催される電子透かし技術のワークショップ IWDW 2011(International Workshop on Digital-forensics and Watermarking)にて発表される予定です。

*エイリアシング効果:サイズの縮小などのリサンプリング処理において、コピー画像のサンプリング周波数が、原画像の再現に必要な周波数を下回るときに、絵柄によっては干渉縞が生じたりするなど、品質が劣化する現象のことをいいます。コピー画像のサンプリング周波数の半分の値をナイキスト周波数といい、原画像においてナイキスト周波数を超える信号成分は、コピー画像上で忠実に再現されません。


 ※図1は添付の関連資料を参照


*映像情報メディア学会の標準動画像(No.36 Airplane)を利用しています。
*このサンプルでは見た目を保つために特殊処理しています。このため、このサンプルを画像処理しても、潜像が新たに現れることはありません。


以 上

● 関連リンク
(株)日立製作所 ホームページ

● 関連資料
図1
ソーシャルメディアドライブ
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